第17話 光は埋もれ、闇は集う














「私までお呼びになるとは……何ですか?ラクス・クライン嬢」


冷たく響き渡る一つの声。


「ラウ・ル・クルーゼ、ムウ・ラ・フラガ、マリュー・ラミアス、ナタル・バジルール、
 ムルタ・アズラエル、オルガ・サブナック、クロト・ブエル、シャニ・アンドラス…」


ラクスの言葉。


「第二作戦を決行する、とおっしゃられるのですか?」


ナタル・バジルールはラクスに問う。


「当たり前ですわ。何としても…聞かなければいけないんですから」


ヒダカの情報を……欲するもの。


「…その情報さえちゃんとくれれば…アスラン・ザラも殺して構いませんわ」



「「「了解しました!」」」



記憶を戻そうとする、組織。


















































「しかし、いいのでしょうか……」

「ナタル。これは命令よ」


命令に逆らったものには容赦はしない。

悪役の組織の決まりごとだ。















































「ねぇ、アスラン」


僕はアスランに問う。

もう、ずっとずっと聞かないわけにもいかないだろうから。


「……アスランは……ヒダカって情報知ってる?」

「……ヒダ、カ?」


アスランは首をかしげた。

…やっぱり、覚えていないんだ。


「ヒダ・・・カ・・」

「…どうしたの?アスラン」

「何処かで聞いた事がある……ヒダカ」


え?もしかして、だんだんと思い出してるの!?



『君は思い出したくないの?』



「……っ」

「アスラン!?」


…でも、記憶が戻ったら…気まづくなっちゃう…よね?


「・・・ヒ・・ダカ・・・」


……僕の本当の正体は・・・?


「・・・・・キラ・ヒダカ」

「えっ?」


アスラン……?


「…って、聞いた事、ある気がする」

「……そう」


アスランの記憶が戻って、この事を聞いて、僕はきっと悩むだろう。

凄く辛くなって…アスランと一緒に居るのが嫌になるのかもしれない


「…キラ!」

「…ミリアリア?」

「学校の屋上にいたのね?いないから結構捜しちゃったよ?」

「…御免」


ミリアリアは何時も明るくて、本当に良い友達だと思う。


「…キラ、アスラン。あんまり、自分を追い詰めないでね」

「……追い詰める…?」


アスランはハッとした表情だった。


「そ。あんまり考え込まないでね。”記憶を戻したい”って思ってても戻るわけじゃないと思うから。
 大丈夫だよ?ゆっくりでもいいんだからね? キラも。あんまり考えすぎても駄目よ?」


僕には何かそっけない・・ミリアリア・・・。


「…跡…」


ミリアリアが口ずさむ。


「………何か、嫌な予感がするの」

「嫌な予感って・・?」

「解らない。でも、凄く嫌な予感」




















































「うざーい」


ポソっというシャニ。


「くくっ・・これで、ターゲットが増えた」


オルガは不気味な笑みを浮かべた。


「まっさぁーっつ!」


クロト・・・3人の影と・・。


「…ヒダカの情報なんて16にも満たない子供が知ってると思うか?」


ムウ・ラ・フラガの疑問。


「……天才だと聞きます」


マリューはうつむいて答えた。


「天才ねぇ。所詮、ガキだろう?」

「子供であろうと撃つ。それが軍人ではないでしょうか?」


マリューはムウを見た。


「ま、確かにね」

「ラクス・クラインの計画がどうであろうと、協力はしなければいけない。
 ヒダカの情報を知っている、という事まで解っているのですから」

「ヒダカの情報を知ってそんなガキがどうするんだ?」


何もしない。

きっと、何かに巻き込まれているだけだ、と思うムウ。


「…貴方が殺せないのなら私が殺します」

「それでいいのか?お前さんは」

「………命令ですから」


マリューは小さく答えた。


「ふっ・・”命令だから?”…所詮、お前等にはその程度か」

「……!……ラウ・ル・クルーゼ!」


マリューは戸惑う。


「私の名前を覚えてくれているなんて感激だよ」

「何を・・!」


ラウとマリューは敵対関係だった・・<昔


「アスラン・ザラは所詮ガキ。で片付けられるほど簡単ではない。
 計算が出来る故ヒダカの情報を隠し持っているほどの少年だ」

「……え?」


マリューは驚きを隠せないでいる。


「だが、彼は知らない。世界は彼を排除することを望んでいるのだから」

「………どういう事ですか?」


マリューは疑問そうな表情を浮かべる。


「彼は知らないのだよ。レノア・ザラとパトリック・ザラが此方の味方だという事を」

「……二人は死んだはずでしょう!?だから、アスラン・ザラを………!」

「研究をしていた。”ヒダカ”の事を知る為に。
 だが、両親よりも早く、彼は知ってしまったのだよ。ヒダカの事を」


マリューもムウも何もいえなかった…。


「故に彼は事故に巻き込まれた」

「ですが、レノア・ザラとパトリック・ザラの死体は発見されたと・・!」

「なぁに。ちょっと警察などを脅せばすむ問題だろう?」

「…………!」


クライン―――――組織だけではなく、国を代表するもの。


そして、ザラ―――――子供を見捨ててまで国の権力を掴もうとするもの。


「……もしかして…その少年は……」

「ああ。ヒダカの情報を知ってしまった故生かされているのだよ」

「……もしかして…ヒダカの子供と呼ばれる”キラ”を…」

「養子にとり、成長したら自らの子供を殺すつもりだった。だそうで」


アスランのいない陣地…”敵”のところで明かせれる真実――――。


「……ヒダカの情報さえ入れば、”死あるのみ”というわけだ」

「……………何故、貴方がそんな事…知って……?」


飛び交う疑問と真実。

その立場におかれる二人。

記憶は戻り、平和は二人に訪れるか――――?


























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後書き
ロードオブザリングを見る前に、半分。
途中で休憩してほとんど。
ディスク1見終った後に終りを。
だんだん膨らませました〜〜。。
っていうかそろそろ悪役ださないとね!<え
珍しい悪役かなーとは思います。
だって説明してくれるんだもん(笑)
さて。これからどうなるのか?
見ながら考えてました。
二人の結末は・・?其処までは考えてないけど<え